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春の海に行ってみた。~2006年4月1日 国府津に行く。~ [◆作ること。]



2005年度を切り抜け、2006年度になりました。
忙しさが収まり、ちょっとした高揚感と疲労感が残ります。

さて、ここ何日か、花粉症が終わったら、年度末を越えたら、
まず最初にどこに出かけようか?と思いを巡らせておりました。

自転車をメンテナンスしながら、過去に川を下って海に出た風景を思い出し、
映画『メゾン・ド・ヒミコ』を観て、
淡いブルーの風景に包まれたいなぁと思い始めた頃、
一度行って見たいと思っていた場所が浮かびました。

それは国府津(こうづ)です。




正確には、神奈川県小田原市国府津、
東海道線の沿線にあり、
東京から見て、大磯の先、小田原の手前です。

位置関係を地図で見るとこんな感じです(『マピオン』を活用しました。)

学生時代、お金は無くて時間がたっぷりある時代、
夏休みにはJRで発売される青春18切符を使い、
東海道線に乗り、
東京から、親戚・友人がいる浜松・名古屋・京都・大阪に行きました。
もちろん、かなりの長旅です。
小沢健二さんの『犬は吠えるがキャラバンは進む』
(現在は『dogs』と改名されています)を聴きながら、のんびりしておりました。

その途中に通過するのが国府津駅。
進行方向に向かって左側に海の水色、右側に山の緑が
夏の太陽に照らされてキラキラ輝き、とてもきれいでした。
通るたびに降りたいと思っていました。
でも、先の長さを思うと、調べた列車の乗り継ぎ計画を壊すのが難しかったので、
降りることなく、車窓から眺めるに留まっていました。

淡い憧れが、2006年の春に叶うことになりました。

朝、予定よりも遅れ気味に出かけ、東京から東海道線で向かいます。
湘南新宿ラインも考えましたが、
やはり、ここは東海道線で行きたいと思ったのです。


途中の駅それぞれにある思い出を思いながら、
国府津に到着したのは、午前11時過ぎ。
下車した途端、潮風の匂いが感じられます。
山に生えている桜が満開。

まずは海へ!

薄いブルーの空に、色が淡いブルーのグラデーションの海、
海岸は石が多く、波に洗われて丸くなった石が、濡れてキラキラ輝きます。
波と共にやってくる風は、少々冷たく、暖かな陽射に混じって、心地いいです。

海岸線に沿って、小田原方面に行くと波消しブロックがあり、
その一つに腰掛けてぼんやりします。
半分寝ています。
寄せては返す波の音に混じって、石が転がってぶつかり合う音が響きます。
ブロック足元ギリギリまで波が来ます。
波しぶきでできた霧が顔にかかります。
このリズムというか音楽がなんとも言えず、心地よかったです。

そんなこんなで1時間あまりを過ごし、腹ごしらえに向かいます。


ネットで評判の「のんき亭」に行き、
地アジのたたきとカンパチの兜煮定食を頂きました。

地アジは今朝捕れたばかりだそうです。
全く生臭さは無く、
しっとりと木目の細かい舌触り、
水分と油分がバランスよくきちんと納まっているようで、
確かに新鮮で、うっとりです。

カンパチの兜煮はボリュームがあり、
プリプリした食感にニヤニヤしながら、
複雑な形の骨の細部の肉までしっかり頂きました。

元来、これといった好き嫌いは無いのですが、
魚を目にすると集中して食べてしまいます。
切り身や、獣肉での比ではありません。
その理由を考えながら、黙々と食べていたのですが、
「生きている形が残っているから、意識が高まるのではないか」というのが
今日現在の結論です。
魚に限らず、鳥の手羽先やスペアリブなどは集中して食べることを考え合わせると、
この辺が妥当かと思われます。

食べ方で、私が魚好きであることをを察してくださったお店の方が、
兜煮の煮汁にお湯と生姜を加えて、汁物仕立てにしてくださり、
とことん食べ尽くすことができました。
こういう食事が一番贅沢で、満足感が高いんですよね。

食べない時は2~3日食べなくても平気でありながら、
食べる時は食べる!性質、とはいえ、食べすぎです。
近年まれに見る過食振りで苦しい、苦しい・・・ふらふらと海岸に向かい、
東京方面、「二宮」に向かいます。


ところが、途中で川に阻まれ海を離れて回り道をし、
予想外の距離を歩き、何とか二宮に着いたのは15時過ぎです。

そして、吾妻山公園へ向かいます。
丘だろうという想像とは大きく異なり・・・山!
降りてくる人の顔に疲労感が見られます。
事実、急な斜面に付けられた階段を上るのは厳しく、
息が上がっていきます。
しかし、満開の桜の木が続いていくのに釣られて
追いかけるように登るのは止められません。
恐るべし、桜。
誘われるままに、結局頂上まで行ってしまいましたら、
これがとんでもなくすばらしい景色!
花見で和む人々のいるまだ枯れている芝の丘、
その先に桜並木、
更にその先に海!
初めて見ました・・・うっとりです。

16時過ぎ、やはり東海道線でに二宮を出て、
列車内で爆睡、気づいたら終点の東京駅でした。
様々に体を酷使しただけあります。

本を探したり、買い物をして帰宅したのは19時。
充実した1日でした。

やはり、私には”こういう”時間が必要です。
ここのところ、仕事や、遊びや、やりたいことなど
あれこれいっぱいいっぱいになっておりました。
花粉症で動きが鈍かったので致し方ないのですが、
動けない分、自分の中に蓄積していく
意志や希望やそれにまつわる情報が私の容量以上になって、
判断力が鈍ったり、
なによりも視点や思考、行動全般が雑になっているのが嫌だったのです。
そして、その状況に凹み・・・と悪循環です。

たまには何もかも忘れて、
ただ「海に行く」だけと、たった一つシンプルな行為に身をゆだねる、
ゆるゆるの予定だけ用意して、あとは現場の風に乗るだけ。
場所はどこでもいいんです。
その場の空気の中でぼんやりできればいいのです。
これが私にとっての旅のようです。

そういえば、手ぶら宣言ですが、
結局、上着の右ポケットに定期入れ(免許証・現金入り)と地図、左ポケットにハンカチ、
Gパンのケツのポケットに携帯電話、
そして、右手にデジタルカメラ・・・って、完全なる手ぶらではありませんでした。
「手ぶらで歩く爽快感は、子供の視点っぽいものが手に入るから~」と思いかけ、
改めて考えてみれば、子供の頃は手ぶらも手ぶら、
お金さえ持たずに普通に外に遊びに行ってました。
学校にも行ってました。
最強だった子供時代、毎日楽しいのは当然です。

【関連記事】***************

春の海に行ってみた。 写真編1 ~2006年4月1日 国府津 午前の海編~


春の海に行ってみた。 写真編2 ~2006年4月1日 国府津~二宮 午後の海編~


春の海に行ってみた。 写真編3 ~2006年4月1日 二宮 吾妻山公園編~





【参考文献】****************

犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1993/09/29
  • メディア: CD



dogs

dogs

  • アーティスト: 小沢健二
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1997/07/24
  • メディア: CD


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コメント 2

なお

そのころ、まったく正反対に両手に荷物を持ち、人ごみの球場にいましたw
by なお (2006-04-04 01:18) 

Thomas-Polar-Bear

”なお”さま。
こんにちは~開幕戦お疲れ様です!
東京スワローズの勝利の瞬間に立ち会えて良かったです!
しかも勝ち越し、いい感じですね!

この時季は、私は透き通るくらいもぬけの殻なので
対T戦(またはG戦)を観にいくのは難しい・・・
C・B・Dなら行けたと思うんですが・・・
by Thomas-Polar-Bear (2006-04-05 12:44) 

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