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ひとりでも、ふたり以上でも。 [◆作ること。]



ひとりなら、ひとりなりの、
ふたり以上なら、ふたり以上なりの楽しみ方がある。
私はその両方が大好きなのだ。
自分だけでしか出来ないことに執着しすぎるのも、
他人がいないと躊躇したり何も出来ないことにも、
「深め」たり、「広げ」たりする機会を逃しまくっていて、
もったいないなぁと思う。


たとえば、私は東京スワローズが大好きなので、
神宮球場でのホームゲームを観に行くのだが、
友達と行く時もあるけれど、
足繁く通った2005年は、ひとりで行くことが多かった。
社会人ともなると、自由な時間は限られており、なかなか都合は合わない。
その上、天候など外界の影響に左右されて起こりうる出来事を楽しめる、
1塁側でも観られる、つまり東京スワローズも含めて野球好きなど、
こんな条件に合う人間を周囲で見つけるのは、なかなか難しい。
無理に誘うのは心苦しいし、
観戦中も気を使って楽しめないだろう。
だったら、ひとりで行って、
そういった条件を通り越しているから来ている
現場の人々と仲良くなった方が断然楽しいと思う。


だから、球場の場合は、現場でひとりかどうかは別なのだ。
会社帰りだと、初回から見られるわけではないので、
点が入っていたりすると、ゲームの経緯など周囲の人に聞くことも多い。
更に、私が節操なく、でも、敬意を持って声を出して応援するので、
結果的に、前後左右のお客さんたちと盛り上がって、
一緒になって応援していることが多いのだ。
子供、
男子女子、
コアなイチローファンの紳士、
奥様集団、
中年サラリーマン集団、
老夫婦などなど
普段の生活・仕事やその他の遊びではあまり関わらない人たちと
観戦を楽しめることは宝物だ。


もちろん、そういうことがない日もあり、ひとりで観戦することもある。
ゲームが盛り上がらないまま進んでいくこともある。
そんな時は、黙々と選手の動きに集中して観戦し、スコアをつける。
かなり集中しているらしい。
すると、試合が終わってから、
「本当に好きなんだねぇ。」なんて、声をかけられる。
「ええ、本当に好きですよ~。」と答えながら、
試合中に声をかけてくれても良かったのにと思いつつ、
黙々と観ているのを邪魔しないお気遣いに、嬉しくなる。



これとは対称的に、
ひとりで動いたり、ぼんやりしたりすることも得意することを
全く理解されない状況にも出会う。



強引で勝手なスケジュールを敢行するため、ひとりで旅をすることが多い。
やはり、朝からひとりでパリのルーブル美術館に行き、
「隅から隅まで、観に行くぞ!」と気合を入れて上機嫌で散策した時の事。



美術館が広大だからということもあるけれど、
作品の持つ力を感じながら、接しながら、思い考えながら歩くのは、
多くの人の話を聴きながら歩くのと同じで、
精神的には満たされて高揚するけれども、かなり体力を消耗する。
だから、途中で休憩しないと、持たない。


その時、あるといわれていた彫像が見当たらず、
徘徊し過ぎて、疲れていた。
天井が高い部屋のベンチに腰掛けて、ぼんやりしていた。
会いたいな~どこにおるんやろな~返事してくれ~と、途方にくれていた。


そんな時に、近くに座っていた人に日本語で話しかけられた。
ハーフの好青年で、かなり日本語が堪能で饒舌。
それはそれで楽しかったのだが、
ふいに「美術館って、僕も少し退屈だったんだよね~」とのたまう。


あ~「(僕)も(少し退屈)」って・・・
私はめっちゃくちゃ楽しいんだが・・・
ちょっとくたびれて座っていただけなのだが・・・


相手とのギャップをうまく伝える言葉が思い浮かばず、
退屈という気持ちも分からなくはないけれど・・・
反論するのも場違いな上に、違うと思い、
私の方から適当に切り上げて、散策に戻った。



もちろん、友達はいる。
2006年春現在、相方(配偶者や恋人)はいないが・・・
仕事を含め人間関係は概ね良好。
別にひとりぼっちじゃないなぁ。
やっぱり、「ひとりがいい!」、「複数がいい!」って決めない方が楽しいよなぁ。
ひとりでも、複数でも、そこにある空間や時間を楽しめるなら
どっちでもいいんだよなぁ、ホント。
ひとりで楽しむことは、「深まる」し、
ふたり以上で楽むことは「広がる」と思う。
両方が常に等しくあったほうが嬉しいや。



春は人の動きが激しく、いろいろな人に出会う機会が多いけれど、
ひとりでも、ふたり以上でも楽しむことができる、
できればアホ風味が好物の人に出会いたいものだぁね。



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コメント 3

なお

わかる気がします!
旅行も野球観戦も一人でするのと、友達とするのと、両方いいです♪
私はスコアはつけれないけど、守備位置や内野手がサインを出すタイミングとか見ちゃいます。
友達と一緒だとガンガン応援してます☆
どっちかとかに決められないんです。
どっちもないと困るんです!
by なお (2006-04-05 20:47) 

igakiti

>ひとりで楽しむことは、「深まる」し、
>ふたり以上で楽むことは「広がる」と思う。

とってもいい言葉ですね。
数年前にひょんなきっかけで1人旅をしたのですが、知人と連れ立っていく
それまでの旅とは違った経験ができ、実に印象深いものになり、以来、
毎年1回は1人旅に行くようになったのですが、まさに上の言葉が言いえて
るなぁとしみじみ思いました。
なんとなく感じていることでも活字にしてみると、その力強さに改めて触れた
気がしました。
あ、すごいまじめくさったコメントになっちゃった!
by igakiti (2006-04-07 01:44) 

Thomas-Polar-Bear

”なお”さま。
> 守備位置や内野手がサインを出すタイミングとか見ちゃいます
これって、ひとりじゃないとなかなか出来ないですよね。
そして
> ガンガン応援してます☆
これはふたり以上のほうが俄然楽しいですよね!
ひとりで「深め」たことを
ふたり以上の場で「広げる」って
お互いにできるようになりたいなぁと思う今日この頃です。

_______________________

”igakiti”さま。
ふたり以上の行動になると、
一緒にいる人との関わりが楽しく、
その分、外側への関心が弱くなりますね。
ひとりの場合は外側との直接対話になったり、
新たな知人が出来やすかったりしますね。
どちらも等しく楽しいです。

今回の記事を書くに当たって、
言葉になる前に、思い考えることになるのですが、
その時には過去にあった色々な記憶を手繰り寄せられて、
とても楽しかったです。
この先もそんな体験が積み重ねられたらいいなぁと思っています。
by Thomas-Polar-Bear (2006-04-09 13:31) 

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