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小澤征爾さんの訃報後に改めて関連の音楽や動画を視聴した。 [■ 音楽 Music,Sounds]


小澤征爾さんが2024年2月6日逝去したのを知り、
改めて所有している関連のCDや録画とBlu-ray、
YouTube配信映像を聴いたり観ました。



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目当ての『ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68』を探索し、
Carlo Mari Gulini
(カルロ・マリア・ジュリーニ)指揮、
Wiener Philharmoniker
(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)演奏のCDにたどり着きました。
https://www.universal-music.co.jp/carlo-maria-giulini/products/483-5492/

※たどり着くまでの道のりはこちら。
https://sound.blog.ss-blog.jp/2006-03-0



これをきっかけに
1作品が指揮者・楽団や演奏者・演奏場所の組み合わせで変化する醍醐味を知り、
その後も『ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 作品68』の
バリエーションを楽しむようになりました。


そして大好きになったのが、
2010年12月14日ニューヨーク、カーネギー・ホールでの
小澤征爾さん指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏のライブ音源です。

奇蹟のニューヨーク・ライヴ ブラームス:交響曲第1番
https://www.universal-music.co.jp/seiji-ozawa/products/ucgd-9021/


力がみなぎっていく、元気が出る演奏です。
新しい世界へ旅立つ人へのはなむけにぴったりです。
久しぶりに聴いて痺れました。



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直近で印象的だったのは、
ONE EARTH MISSION - Unite with Music
小澤征爾/SKO&JAXA 共同企画
です。
https://www.seiji-ozawa-oneearthmission.com/


2022年11月23日に長野松本文化会館で収録され、
2022年12月1日12:00JSTに全世界に配信された
当時ISSに搭乗していた若田光一宇宙飛行士と
小澤征爾さんが指揮するサイトウ・キネン・オーケストラの演奏で繋がる、
「史上初 宇宙にオーケストラの音を届ける」企画です。
初めて日本人宇宙飛行士である毛利衛さんが宇宙へ行って30年、
セイジ・オザワ 松本フェスティバル開幕30年を記念したそうです。


演奏曲目は『ベートーヴェン:Egmont 序曲 作品84』。


ONE EARTH MISSION - Unite with Music - Full recorded LIVE Performance
https://www.youtube.com/watch?v=weKk6412F24


車椅子で式台に上がる小澤征爾さん、
さすが、としか言いようがない素晴らしい演奏です。
小澤征爾さん越しにコンサートマスターが映る位置にカメラがあるので
とてもよくわかるのですが、
小澤征爾さん最初から最後まできっちり振られています。
暗譜されているし、
楽団との信頼関係が強さが演奏に溢れていて・・・後半は涙が止まらないです。



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新年恒例で有名なオーストリア ウィーンで行われる
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート
NHKでも毎年生中継で放送しています。
(2024年は1月1日の能登の震災により後日録画放送になりました。)
Johann Strauss II.(ヨハン・シュトラウス2世)やその父や弟が作曲した
ウィンナ・ワルツやポルカなど中心に華やかな作品を演奏し、
アンコールの3曲中、
最後からの2番目は『美しく青きドナウ』で曲の途中で新年の挨拶をする、
最後は『ラデツキー行進曲』を観客も手拍子で参加するのがお決まりです。



小澤征爾さんは2002年のニューイヤーコンサートの指揮され、
テレビで観られなかったため、どうしても観たくて市販のBlu-rayを購入しました。

ニューイヤー・コンサート2002
小澤征爾指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

https://kingeshop.jp/shop/g/gKIXM-70/


小澤征爾さんと楽団の顔がほころぶ様子と最高の演奏は
新年ならではの柔らかくて優雅な明るさに満ちていて、
めでたさもひとしおです。



お決まりの新年の挨拶は、
13か国語を楽団員が順番に述べ、
コンサーとマスターが「アケマシテオメデトーゴザイマス」と日本語で
締めの小澤征爾さんは「新年好」と中国語で。
満州のお生まれゆえなんでしょうかね。
式台から両足を揃えてぴょんと飛び降りたり
茶目っ気たっぷりな様子が微笑ましいばかりでした。




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ご機嫌な小澤征爾さんの姿を拝見すると、
小沢健二さんのライブを思い出します。
小沢健二さんにとって小澤征爾さんは、
憧れの大好きな叔父さんで、
インタビューでもいくらか触れているのを拝見したことがあります。


小沢健二さんは何度か大所帯を率いてライブをしていて、
私はこの界隈の音楽が大好きで贔屓にしているので、何度か参加しています。
東京スカパラダイスオーケストラや真城めぐみさん、木暮晋也さんなど
素晴らしい方々が共演します。
加えて、ストリングスの指揮は服部隆之先生、
豪華な上にダンスにも付き合っちゃう特典付きの時もあり、
ステージの完成度は高く、ものすごく楽しいです。


フロントで歌ったり、ギターを弾いたり、踊ったり、喋ったりする
全力の小沢健二さん、
憧れの大好きな叔父さんの真似をしてタクトを振る少年のようにも見えるんですよね。
毎回美しくて、愛おしい空間になるのでした。




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小澤征爾さんの指揮によるサイトウ・キネン・オーケストラの演奏を
生で聴くことができなかったことが悔やまれます。
叶わないこともある一方、
楽しい経験や視点も盛りだくさん分けてもらえて、幸せでした。



小澤征爾さんのご冥福をお祈りいたします。






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余談。



後日、この流れで小沢健二さん『犬は吠えるがキャラバンは進む』
(「犬」→『dogs』→『犬は吠えるがキャラバンは進む』)を聴きたくなって、
出勤時の通勤電車で聴き始めたのですが、
あ、これは今聴いたらダメなやつ!と即中止し、
その日は粛々と業務をこなし、さっさと帰宅し、じっくり聴きました。
こういう時に聴きたくなるアルバムの一つで、
個々の作品も、構成も、素晴しいわ・・・そっと自分の日常に戻る感じ、いいなぁ。