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たまにはtweet的に。 2024年4月3日 [●tweet的に improvisation]



新年度開始の4月は、日本の多くの組織が動く季節です。
私は変わらないと思われる、が、油断大敵。


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2024年3月29日、
若田光一さんが2024年3月末でJAXA退社するに伴い記者会見があり、
ようやく見ることができました。

JAXA若田光一宇宙飛行士の記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=CyOH9nKZgwg


いつも通りの柔和な雰囲気と明瞭な口調で、
これまでの活動と協力者の方々へのたくさんのお礼をされていました。
お馴染みの記者の方々からねぎらいの言葉を受けながら、
淀みなく、時に深い質問に考えを巡らせながら、
今後の活動に明るさを感じさせる受け答えをされていました。



「日本人初」が付くことが多かった若田さんは、
私も特別な感じで、宇宙飛行士と言えば!という存在でした。
Mission Specialistというのが大きかったのだと思います。


特に印象に残っているのが・・・


2013年、日本人初のISSコマンダーになるため、
事前の訓練について、
NHKが密着してドキュメンタリー番組を放送しました。

軍関連の出身が多い宇宙飛行士の指揮命令系統がトップダウン式が主流。
指揮命令がスムーズに伝達、遂行されるために、
業務分担を明確にし、責任者が完全に背負っていたそうです。
情報の混乱を避け、原則、他の人は手を出さないという形だったそうです。

若田さんがコマンダーとして掲げたのが
「和の心で舵取りしたい」、
「和のリーダーシップ」

基になる責任者は決めておくけれども、
必要に応じて、責任者以外もその対応に参加したり、
意見を言えるようにしたいと。
そのためには普段から信頼関係を作っていく必要があり、
一緒に食事をしたり、機会を見つけては話をするなど、
ごく一般的な方法で進めていらっしゃいました。


慣例を破る形になるので、反発や疑問を呈されるなど、
なかなか実行に困難な状況も垣間見えましたが、
少しずつ理解を求めながら、
効果が見える機会をうかがいながら、
運用に落とし込んでいらっしゃったのでした。



どちらが正しいというのではなく、
メンバーが同じバックグラウンドだったり、
スキルや経験に大きく差がある場合は
トップダウンの方がスムーズでしょうし、
スキルが低い人の心理的なハードルが下がって、
円滑なOJTにもなるでしょう。

一方で、メンバー全員が既定のスキルレベルを持ち、
バックグラウンドが異なるならば、
若田さんが進めた「和のリーダーシップ」は
非常に効果的であると思います。

状況に応じて切り替えられる選択肢があると、
精神的に余裕が持てると思います。
特に突発的なトラブルが多く、
リカバリーする機会が得られにくい
閉鎖空間での業務遂行ならば、なおさらです。

若田さんの目指した組織の有り様は、
月や火星を目指すのに必須な民間企業の参入を進める上で、
バックグラウンドのバリエーションが増えたり、
多国籍化していくのが必至な状況です。
そこで絶対に必要になっていくとおもいます。


このドキュメンタリー番組を見て、
色々と意識的に考えるきっかけになりました。



今回の記者会見でも、手動からAI自動化になったとしても、
操作したり開発する時、常に「チームスキル」が必要になることを
おっしゃっていました。



日本公式の宇宙飛行士としての活動は区切りがつきますが、
民間に移っても宇宙飛行士でありたいとのこと。
今後ともご活躍が楽しみにしております。



タグ:若田光一